最初に言っておくが、俺はクズで社会不適合者で負け組だ!
何を基準に勝ち組、負け組が決まるのかは知らないが、世間一般の同年代より、自分の方が劣っていると感じた時点で、俺は自分のことを負け組だと認識する様になった。
つまり、負け組というレッテルは自分で貼っている。
また、周りから見ても30歳独身無職ニートが勝ち組の訳がない。
ちなみに、俺は4号機時代の二年間で約3,000万稼いだ元自称スロプロだが、大して自慢にもならないし、当時はパチスロで年収1,000万なんてそこら中にいたから特別凄い訳でもない。
今の世代の若者には分からないと思うが、花火不発Ver.やサンダーVゼブイVer.の裏物に始まり、獣王やアラジンの爆裂AT時代には、今では想像できないぐらいの大金が転がり込んできた。特に、爆裂AT機の設定6は機械割が実質150%以上あったため、設定6を掴めば最低20万が保障されている様なものだった。
そして、そんな設定6を入れる日にちをホールが公開しているのだから、後は徹夜して並ぶだけで良かったし、設定6をハズレ一発で判別できる分かりやすい仕様になっていたため、設定6狙いはローリスク超ハイリターンでもあった。
気合とわずかな軍資金さえあれば、10分の1程度で20万が当たる宝くじを引けた訳で、狙い台を絞ればもっと高い確率で設定6を掴むことも可能だった。もちろん、仲間内で全ての台を抑えてノリ打ちするなんてこともよくやっていた。
当時は、毎日好きな物食って、好きなだけ遊んで、欲しいものはなんでも買えて、それでも金が貯まっていくのだから、メチャクチャ楽しかった。
一生スロプロでいいやって思っていた。
だが、そんなおいしい時代がずっと続くはずもない・・・。
4.5号機、5号機(パチスロ氷河期)への突入だ。
パチスロ全盛期が終焉を迎え、設定6でも負ける時代が始まる。
ちなみに、4.5号機の頃は月50万程度稼げていたが、5号機初期だけはどうにもならなかった。俺に限らず、仲間内でもスロでまともに収支を上げている奴はいなかった。
また、これはスロプロ側だけでなく、ホール側も相当応えたようで、この時期に潰れたパチ屋は恐らく過去最多になるはずだ。特にパチスロ専門店はほぼ全滅に近い状況になっており、パチスロの島を閉鎖するホールも相次いだ。
仲間内でも、この時期に就職の道を選んだ奴がほとんどだった。
今思うと、俺もこの時期にパチスロを見限って就職を決意するべきだったと後悔している。
だが、無駄に貯まった金と、今更就職したところで月に20万も貰えない仕事なんてできないという、完全に社会をなめ腐ったニート思考から、「宅建」「FP」といった資格を取りながら、だらだらとスロプロを続けた。
いつかまたパチスロで食える時代がくるだろうという淡い期待を持ちながら。
そして予想通りと言うべきか、5号機でも設定6の機械割りがそれなりに高い台や天井狙いができる機種が増え、月に安定して30万以上稼げる様になる。
贅沢しなければ全然生活できるレベルだ。
ところが、明らかに今までと変わったことが一つだけあった。
パチスロがおもしろくない・・・。
決して機種がつまらない訳じゃない。
20代後半になってようやく真剣に考える将来への不安・・・。朝から会社に通うサラリーマンを横目にホールに並んでいる惨めさ・・・。不安で眠れない夜・・・。気付けば、スロプロでいることが苦痛でしかなかった・・・。
ようやく俺はスロプロをやめようと決意した。
そして生まれて初めてまともな就職活動を行った。
しかし、20代後半になっても社会人経験0の俺が働きたい会社に就職できる訳がない。そもそも働きたい会社なんてのもない。
結局、何社か面接を受けて採用まで決まっていたが断った。
やっぱり、今更という思いがどこかにあったからだ。
元々、俺には失う物なんて金ぐらいしかないし、こんな俺だからこそ好き勝手やれるのだから、無理に型に嵌る必要なんてどこにもないって考えはスロプロを止めても変わらない。
また、幸か不幸か俺にはパチスロで貯めた金がまだ1,000万以上残っている。だから、俺は自分で事業を起こすことに決めた。
そんな理由で、俺は今現在30歳独身無職ニートである。
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